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Channel: 「詩客」短歌時評
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短歌時評164回 短歌の先生はいますか? 千葉 聡

1 はるかなものを見つめる黒瀬珂瀾  なんてきれいな歌集だろう、とうらやましく思いながらページをめくっていたら、ある歌に目がとまった。   生なべて死の前戯かも川底のへどろ剝がれて浮かびくる午後 黒瀬珂瀾『ひかりの針がうたふ』  いい歌だ。とてもいい。生と死の間に、小さなものが浮いている。しかもへどろだ。このささやかさがいい。...

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短歌評 一つの言葉が生み出す無限の可能性。藤田描『ちんちん短歌』を読む 谷村 行海

 『ちんちん短歌』に出会ったのは本当に偶然のことだった。昨年11月の文学フリマ東京で、私は急きょ所属する俳句誌『むじな』の店番をすることになった。それで、店番をする以上、近隣の出店者の方がどのような作品を出されているかを知っておくべきだと思い、ウェブカタログを眺めたときに出会ったのが、隣のブースに出展していた藤田描『ちんちん短歌』だった。ウェブカタログには次のように記載されていた。...

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短歌時評165回 在り続けている側から 大松 達知

 昨年11月にさかのぼる。「ビッグイシュー」(vol. 394)の特集に〈短歌〉が組まれた。 タイトルは「いよいよ、短歌」。 この「○○○○、短歌」の空欄に言葉を入れて短歌に縁のない人に訴えかけようとするとき、何を入れるだろうか。(そういう教員的思考がすこし嫌だけれど。)  いまなら短歌・いまさら短歌・そろそろ短歌・ようやく短歌・やっぱり短歌。...

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短歌評 センチメンタル詩論 ―岸上大作ト寺山修司ヲ論ジテ我ガ短詩系文藝総観ニ至ル 平居 謙

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短歌時評166回 短歌講座で学べること 竹内 亮

 短歌講座のことを書こうと思う。 わたしは短歌を東直子さんの講座で始めた。 2011年に始まったNHK文化センターの講座でもう10年通っている。その間、東さんの講座のほかに、穂村弘さんが2年だけやっていた慶應丸の内シティキャンパスの連続講座に行った。仕事が忙しくて途中で行けなくなってしまったけれど、堂薗昌彦さんの講座にも少し行っていたし、いまは中断している服部真里子さんの連続講座にも出ていた。...

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短歌時評167回 ステキな歌 大松 達知

 くどうれいんさんの「氷柱の声」(「群像」2021年4月号)が芥川賞候補になったという知らせが入って来た。はじめての小説作品。慌てて検索してももう手に入らない。7月の書籍化を待つのみ。 もちろん「くどうれいん」さんは「工藤玲音」さん。盛岡市出身在住。 日本文学振興会発表の候補者紹介に「俳句結社樹氷同人、コスモス短歌会所属」とある。...

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短歌評 短歌を味わえない 若林 哲哉

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短歌時評168回 短歌という競技 竹内 亮

 オリンピックが終わった。 今回はあまり見ていなかったのだけれど、最終日の男子マラソンをテレビで観た。...

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短歌評 日々の肯定 永井祐『広い世界と2や8や7』(左右社、2020年) 岡 英里奈

 高校生の頃、大人になりたくないと思っていた。働き、結婚し、子を産み、家と車を買って……そうした大人にならねばならない、という義務を感じては、果てしない、将来設計とか無理、と思っていた。...

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短歌時評169回 母はもう死者。安全なところにいる――川野里子『天窓紀行』から考える。 大松 達知

 ふらんす堂の〈短歌日記〉シリーズが好きである。四六版よりも一回り小さい手のひらサイズ。380ページくらいあって、かわいい。スマフォを分厚くしたような、コロコロコミックを小型にしたような感じ。  その11冊目、川野里子さんの『天窓紀行』が出た。 〈短歌日記2020〉川野里子の366日。   1ページに1首と散文。...

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短歌時評170回 二者択一論とバランス論 竹内 亮

 9月に、松村正直さんの『踊り場からの眺め』という時評集が出た(六花書林)。 2011年4月からから今年3月までのまでの10年間の時評が収められている。 2011年に東直子さんの講座で短歌を始めたわたしにとってはちょうど自分の歌歴と重なるということもあって、興味深く読んだ。...

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短歌時評171回 万葉ポピュリズム批判とその周辺について、一傍観者の立場から振り返る 小﨑 ひろ子

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短歌時評171回 忠臣蔵を知っていますか 竹内 亮

 昨年の4月から今年の3月までの1年間、社会人の多い夜間の大学院に行ったのだけれど、今月初め、そのときの同級生が集まって懇親会をした。懇親会の当日、会場の大手町の餃子屋さんで、わたしの前の席には去年の同級生で、台湾人の弁護士のTさんという女性が座った。Tさんは大学院を終えて今年から日本で仕事をしている。  最初は、Tさんは「日本の餃子は種類が多いですね」...

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短歌評 短歌の回路――第7回詩歌トライアスロン受賞作の短歌を読む 若林 哲哉

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短歌時評173回 「きみ」は誰だ? 『meal』冒頭の5首について。 大松 達知

   山下翔『meal』(現代短歌社)の冒頭。  「つま」とタイトルがある一連。 「つま」ってなんだろう。歌集タイトルが『meal』なんだから食べ物を連想すべきで、刺身のツマみたいなものかな?いややはり、ふつうは妻かな?と思いながらすすむ。 (実際には1秒もかかっていない思考だったけど。)  1首目、つまり巻頭歌。 きみが手にからだあづけて眠りゐるみどりごあはき今朝のはつゆき...

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短歌評 見えないものを見る~鈴木晴香『心がめあて』(左右社、2021年)  岡 英里奈

 着る服を選ぶ。顔を洗う。髪を切る。毛を剃る。体の外側のことは、日々の中でよく考える。けれど、内側はどうか。...

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短歌時評174回 ロシア・ウクライナに関して思いを巡らさざるを得ない様々なことについて   小﨑 ひろ子

戦争は、現代の短歌では想像の世界でしか歌われることがない。なぜなら、現在、われわれの国家は戦争をしていないと信じられており、戦争は、一般に国家が宣言し、国家が戦うものだからである。(『短歌の世界』岡井隆「23 これから戦争はどう歌われるか」1995.11.20.岩波書店)...

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短歌時評175回 真実の言葉 竹内 亮

 歌人は「真実の言葉」に敏感だと思う。  歌が現実か創作か、本心かそうでないか、歌を読んでいると気になることがあるし、歌が事実かどうか歌会で議論になることがある。  しかし、その議論がわたしは十分に整理できていない。まず、事実かどうかというのにはいくつかのレベルがある。そして、事実かどうかということと本心であるかどうかということには必ずしも関係がないように思える。...

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短歌時評176回 機会詩の成熟化について 桑原 憂太郎

 今年2月にはじまったロシアによるウクライナ侵攻は、短歌の世界でも、恰好の歌の題材となって受け止められた。...

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短歌評『約束のあとさき』(みづな and アキ)を読む 若林 哲哉

 『約束のあとさき』は、森尾みづな氏と喜多昭夫氏の共同制作による歌集である。...

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